離婚の結論自体が争いになっている場合に考えるべきこと②

1 婚姻を継続しがたい重大な事由

協議や調停で離婚が合意できず,裁判になった場合は離婚原因が認められなければ離婚ができませんが,民法は抽象的な離婚原因として「その他婚姻を継続した難い重大な事由」を挙げています(民法770条1項5号)。
不貞行為等が証拠により立証できなくても,これに該当するといえれば離婚につき合意できなくとも裁判で離婚ができることになります。「婚姻を継続し難い重大な事由」とは、婚姻共同生活(夫婦関係)が破綻し,その修復が著しく困難な事由をいいます。
これは,夫婦が婚姻を継続する意思を失っており(主観面),夫婦関係を修復することが不可能である状態(客観面)を指します。
このような視点から,裁判所は何が「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当するかを下記の通りに個別のケースに応じて判断することになります。

2 DV

ドメスティック・バイオレンス(DV)という言葉でも知られる 「暴行・虐待」は、身体的な暴力だけでなく、無視や暴言などの精神的な暴力も含まれます。裁判においても、DVが原因で離婚が認められることがありますが、その際には証拠が必要 です。 具体的には,DVにより怪我を負った場合に通院した病院の診断書やカルテ類,110番通報をして警察が出動したケースでは警察の調書が残っている可能性もあるので警察に調書の開示をして証拠としていくことも考えられます。また,直接的にDVの相談をしていなくとも,子供のことを保健所に相談しに行った際に配偶者からの暴力について話をしたり,アザがあったことを調査員が記載しているケースもありますので,過去に相談をしたことがある場所においてその機関が保存している情報の開示が受けられないか検討することも考えられます。なお,暴力であっても,軽微な場合は,離婚原因として認められないことがあります。他方,一定以上の身体的暴力は,刑法上暴行罪,傷害罪として犯罪とされますが,このようなレベルの暴力であれば,離婚原因となる可能性が高いです。精神的暴力については明確に深刻な内容,程度ではないと離婚原因にはならないと思います。

3 性格の不一致や価値観の違い

性格の不一致や価値観の違いは,多かれ少なかれどの夫婦にも見られることですから,それだけでは離婚原因と認められません。他の事情によって婚姻関係が破綻しているといえる場合のみ離婚原因があるとして裁判で離婚ができます。具体的には一定期間の別居と合わせて主張していくことになるかと思います。

4 セックスレス

最高裁(最判昭和37年2月6日)は夫婦の性生活は婚姻の基本となる重要事項としているくらいですから,セックスレスという事実自体が婚姻を継続しがたい重大な事由として離婚原因に該当する可能性はあります。どれくらいの期間セックスレスであれば離婚原因に該当するかという点が次に問題となりますが,特に一般的な基準はないかと思います。福岡高判平成5年3月18日では,被控訴人と控訴人との性交渉は入籍後約5か月内に2、3回程度と極端に少なく、平成2年2月以降は全く性交渉がない状態であるのに、反面控訴人自身はポルノビデオを見て自慰行為をしているのであって、性生活に関する控訴人の態度は、正常な夫婦の性生活からすると異常と離婚原因を認定していますが,特殊な事例かと思います。なので,セックスレスだけでなく他に原因があれば複合的に離婚原因を主張していくべきかと思います。

5 モラハラ

モラハラの事例としてよく紹介される精神的に侮辱的な発言ですと、それだけで離婚理由として認められるのは難しいのではないかと思います。
なぜかというと、日常的なやりとりの文脈の中で出てくる問題ですから、その一言一言を取り上げて、「こんなひどい暴言がありました、だから離婚したいんです」と主張しても、なかなかそれだけでは裁判所としては離婚理由とは判断しにくいと考えられるからです。「死ね」とかそういうことを日常的に言っているような場合は別ですが、ただ単に「お前はバカだな」等(そのくらいの発言がひどいかどうかは別として)、それだけではななかな難しいと思われるところです。ですので、そういう意味で考えると性格の不一致と同じような扱いを受けてしまうので、離婚するためには別居期間を重ねて離婚を認めてもらうという方針になるでしょう。他方で、モラハラの例として挙げられているものとして、「精神的な不安定さが非常に強くて飛び降り自殺をしようとしてしまう」とか、「リストカットが止まない」とか、場合によっては「夫に向けて包丁を持ち出してくる」といった行為が度重なっているというケースがあります。このようなケースでは、具体的な行動の中身等をふまえて主張することで離婚が認められてくる可能性もあると思っています。

6 不貞に類する行為

不貞とまではいえないが,配偶者以外の異性と親密な関係にあり,それを理由に婚姻関係が破綻したといえる場合も「婚姻を継続しがたい事由」として離婚原因に該当する可能性があります。

7 配偶者の犯罪行為

配偶者が犯罪を犯したことを理由に即離婚原因が認められるわけではなく,犯罪行為の内容や程度,配偶者の犯罪行為により婚姻生活に重大な影響を及ぼしたかどうかで離婚原因が認められるかと思います。重大な犯罪行為であれば認められやすいのではないかと推測します。

8 配偶者の不労・浪費・借財

前回に触れた悪意の遺棄として離婚原因を主張していくことも考えられますが,そこまで至らなくとも家庭生活の経済的基盤を破壊する程度に仕事をしない・浪費や借入を繰り返すということであれば5号の婚姻を継続しがたい事由として離婚原因に該当する可能性があります。

9 長期間の別居

性格の不一致や軽微なモラハラ等それだけで離婚原因といえるか微妙な案件については長期間の別居を合わせて離婚原因を主張していくことになります。長期間の別居という事実があれ婚姻関係は継続しがたい事由として離婚原因が認められる可能性は高いです。どれだけ別居していれば婚姻関係の破綻が認められるかに関しては法律上基準というものが全く定められていません。ですので、何年になったらよいか、何年別居を続けたら離婚ができるかというご質問に対しては正確にはお答えすることができません。ただ、参考になるのが平成8年に出された法制審の「民法の一部を改正する法律案要綱」というものです。この中で、「別居が5年以上継続している場合」が離婚原因に追加されておりますので、5年別居が続いていた場合には離婚を認めてもいいんじゃないかというのが、実務上の考え方としてあるといえます。短いケースでは3年の別居で離婚原因が認められたケースもありますが,婚姻期間中の同居期間より別居期間の方が長かったりその他の事情を考慮して3年の別居で離婚原因が認められていると考えた方がいいかもしれません。

 

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離婚の結論自体が争いになっている場合に考えるべきこと①

離婚の紛争では色々なパターンがあります。離婚・親権では揉めていないが財産関係や慰謝料等で揉めているケースもあれば,離婚自体は双方納得しているが親権で泥沼の争いになっているケースもあります。今回は夫婦で離婚自体の結論に争いが生じているケースについて考えていきます。

離婚自体の結論に争いがある場合,まずは話し合いで解決できるか探る形になります。それが無理であれば,調停の申立てをすることになります。調停でも双方が離婚の結論に合意できなければ,裁判で強制的に離婚することを考えていくことになります。なので,相手方が離婚に反対しているときは仮に調停で解決できなかった場合は裁判で離婚が可能かどうかを頭の片隅に入れておく必要があります。裁判により離婚が認められるためには法定の離婚原因(民法770条1項1号~5号)が存在する必要があります。この離婚原因が自身のケースで存在するかを離婚を決意した時点で一応検討しておく必要があります。

① 不貞行為

法律では、離婚の原因となるパートナーの不倫を「不貞行為」と呼びます。判例では,不貞行為を「配偶者のある者が、その自由意思に基づいて配偶者以外の者と性的関係を持つこと」と定義しています。ここでは,相手方の自由意思は問題になりません。つまり、パートナーと相手方との間に性的な関係があったかどうかが不貞行為として問われる部分になります。
しかし、不貞行為は人に見えるような場所で行われるものではないので、その関係を証明するのは困難です。週刊誌に写真を掲載された芸能人のように「一緒に食事をしていただけ」などの主張をされてしまったら、それ以上の追及はしづらくなります。では、どうやって性的な関係があったことを証明したらよいのでしょうか。通常、不貞行為を証明する直接的な証拠が存在するケースはほとんどありません。そこで、多くの場合、前後の状況で判断できるものを証拠として不貞行為を証明することになり、実際の裁判においても,そのような証拠に基づいて不貞行為の存在が認められています。

不貞行為の証拠については https://sendai-furinisharyou.jp/isharyou#note-evidence

なお,不倫・不貞行為があった場合(離婚を決意しているケース)は100万から300万円の慰謝料請求できる可能性があるので,実際に全力で回収するかどうかはともかく,離婚のための手持カードとして当然に検討すべき事項でしょう。

② 悪意の遺棄

離婚原因と法定されている「悪意の遺棄」とは、簡単にいうと、夫婦の一方が悪意をもって相手方配偶者を見捨てることです。悪意があるというためには、単にその行為による結果を認識しているだけでは足りず、夫婦関係を破壊してやろうという積極的な意図があったり、夫婦関係が破たんしてもかまわないという意思が必要だと考えられています。悪意の遺棄の代表的な行為は、正当な理由なしに家を出て別居することです。そして、今まで渡していなかった生活費を一切支払わなくなるなどのケースがもっとも典型的です。
例えば、夫が妻に断りなく突然家を出て行き、妻にいっさい生活費を支払わないなどの行動をとると、それは悪意の遺棄と評価されます。
この場合、妻は悪意の遺棄を理由として夫に対して離婚請求することができます。
ただ、家を出て行ったとしても、正当な理由がある場合には悪意の遺棄は成立しません。例えば病気療養のために別居をしたとしても、そのことが悪意の遺棄と評価されることはないのです。なお,婚姻期間が長ければ長いほど、突然家を出て行った場合の悪意の遺棄は成立しやすくなるかと思います。ただ、裁判例には、結婚後2ヶ月でも悪意の遺棄を認めたものもあります。

また,悪意の遺棄があった場合、遺棄された配偶者は、離婚の際、相手方配偶者に対し、慰謝料請求をすることができます。
悪意の遺棄があった場合の慰謝料の金額は、婚姻期間や別居期間、生活費不払いの程度や期間などにもよりますが、相場としては50万円~200万円程度となるかと思います。

③ 3年以上の生死不明

「3年以上の生死不明」とは、相手方配偶者が生死不明のまま連絡を絶って、音信不通になっている場合です。例えば家出や事故、災害などで一切連絡が取れなくなる場合などがそれに該当します。生死不明であることが必要なので、生きていることはわかっているけれども行方不明などの場合には、これには該当しません。この場合の3年の計算は、最後に相手方配偶者と連絡をとったり音信があった時点,つまり相手方配偶者の生存が確認された最終時点から開始します。相手方配偶者が最終的に消息を絶ってから3年が経過した時点で、3年以上の生死不明が認定されることとなります。離婚訴訟において3年以上の生死不明による離婚を認めてもらうには、本当に3年以上生死不明となっている証拠が必要です。裁判では、証拠により裏付けられない事実は認定してもらうことができないからです。
その証拠としては、例えば,警察への捜索願やその受理証明書、相手方配偶者の元勤務先,友人・知人による陳述書、これらの者の証言などが考えられます。警察に捜索願を出して精一杯探す努力をしたがどうしても見つからなかったということを示したり、勤務先や友人・知人から「〇〇氏については、いついつ以来1度も見かけていない、連絡していない」と陳述してもらいます。相手方配偶者が事故や災害によって生死不明になってしまった場合には、その事故や災害に関する資料や、相手方配偶者がそれに巻き込まれた可能性が高いことを示す資料なども必要になります。

④ 回復見込みのない精神病

回復見込みのない精神病とは、統合失調症や躁うつ病、早発性痴呆や麻痺性痴呆、認知症やアルツハイマー病、偏執病、初老期精神病などが代表的な症状です。重度の身体障がい者の場合にも、この要件を満たして離婚が認められることもあります。
これらに対して、アルコール中毒や薬物中毒や劇物中毒、ヒステリーやノイローゼ、精神衰弱などは回復見込みのない精神病という場合の「精神病」にはなりません。これらを理由として離婚することはできないことになります。 このように、回復見込みのない精神病を考える場合、まずはどのような精神病や症状の場合に離婚が認められるのかという点を抑えておくことがポイントになります。 「回復見込みのない精神病」を理由とする離婚が認められるためには、いくつかの条件があります。重要なのは、単に相手方配偶者が不治の精神病にかかったからといって、その一事だけをもって離婚できるわけではないのです。
回復見込みのない精神病の要件で離婚するためには、 ①治療が長期間に及んでいること ②離婚を求めている配偶者が、それまで誠実に療養看護したり、生活の面倒を見てきたこと ③離婚後に看護する人や療養費用に関する対処が必要となります。

なお,相手方配偶者が回復見込みのない精神病を患っていることから、同人の判断能力の有無が問題になってきます。相手方配偶者が植物状態などで、自分で訴訟活動を行うことができない場合があるからです。 このような場合、まずは、相手方配偶者について後見開始の審判を申し立て、相手方配偶者に成年後見人をつけてもらう必要があります。成年後見人とは、判断能力の無くなった人の財産管理や身上監護をする人のことで、裁判などでは本人の法定代理人になります。
後見開始の審判申立ては家庭裁判所で行い、家庭裁判所が成年後見人を選任します。成年後見人が選任されたら、その成年後見人を法定代理人として、相手方配偶者に対し、離婚訴訟を提起することになります。

 

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裁判離婚について

夫婦が離婚する場合、最も多い例は、夫婦が離婚することに合意をして、「離婚届」を役所に提出する「協議離婚」です。
夫婦で話し合っても離婚及びその他の事項について合意ができないという場合には、いきなり離婚訴訟を提起することはできず、まずは家庭裁判所に対して離婚の調停を申し立てることが必要になります。これを「調停前置主義」といいます。
もっとも、調停は家庭裁判所で行われるとはいえ、基本的には話し合いで解決する場面ですから、離婚すること自体や離婚の条件に関して、当事者間で話し合いがつかず、合意に至らないないケースも存在します。 このような場合には、調停は不成立となりますので、調停手続で離婚することはできないということになります。
調停が不成立になったとしても、なお当事者同士の話し合いにより「協議離婚」をする余地はあります。 しかし、調停不成立という状況まで至っているということは事者間によほど激しい対立があるということですから、これ以上、話し合いで解決することは通常困難です。
そこで、このような場合に離婚を求めるには、家庭裁判所に離婚訴訟(離婚の訴え)を提起して、離婚を命じる判決を下してもらうということになります。 離婚を命じる判決では、離婚それ自体に対する判断のほか、未成年の子が存在する場合にはその親権の帰属についても判断されます。 また、離婚の訴えに附帯して、慰謝料や年金分割などの請求もできますので、それらの請求をしている場合にはそれらに関する判断もされます。 このように、裁判離婚が必要になるケースは、離婚や離婚の条件について夫婦間に激しい対立があり、互いの話し合いでは到底解決出来ない場合に限定されるといってよいでしょう。

なお,離婚訴訟を提起しても、必ずしも裁判離婚にならないことがあります。それは、離婚訴訟の過程において、「裁判上の和解」が成立することがあるからです(人事訴訟法37条1項)。
訴訟を起こした当初はまったく譲歩する気持ちがなくても、訴訟は時間がかかりますので、手続が進んでいく過程の中で、お互いの気持ちが変わってくることがあります。
このような場合、裁判所による説得なども加わって、裁判上の和解をすることがあります。 訴訟提起後に裁判上の和解で離婚が成立した場合には、裁判離婚ではなく「和解離婚」になります。 和解離婚の場合、裁判上の和解をした日に離婚が成立します。
ただ、調停離婚や裁判離婚の場合と同様、離婚したことを戸籍に反映させるため、和解期日後に裁判所から送られてくる「和解調書」と「離婚届」を役所に提出する必要があります。

最後に,裁判離婚をする場合には注意すべき点があります。
それは、裁判離婚をすると、戸籍に「…離婚の裁判確定…」という記載がなされることです。 戸籍は、自分以外の人が目にする機会があります。再婚する際などに、再婚相手に見られることもあるでしょう。そのような場合に、「前の結婚の際に裁判までして離婚した人だ」と意地悪く思う人がいないとも限りません。もっとも、そのようなことを気にしない人も多いと思います。ただ、このようなことが気になるという人は、出来れば協議離婚、それが無理でも調停で離婚を解決しておいた方がよいかもしれません。

離婚調停について

調停離婚とは、家庭裁判所での夫婦関係調整調停(離婚調停)を利用して、夫婦が離婚について話し合い、離婚する方法です。
日本における離婚の事例は、夫婦が離婚することに合意したうえで、離婚届けを役所に提出することによって離婚が成立するという「協議離婚」の方法が最も多いですが、一方が離婚に同意しない場合や、慰謝料や財産分与などの点で激しく対立する場合には、互いに話し合っても解決が見込めないことがあります。 また、相手方配偶者と連絡をとることができなかったり、相手方配偶者からDVを受けているなどして、実際上または事実上、当事者同士の話し合いをすることができないケースもあります。 このような場合には、協議離婚によることは難しく、離婚をするためには、別の手段を用いる必要があります。ここで、別の「手段」は「裁判を起こすこと」ということを思い浮かべるかもしれません。 しかし、いきなり離婚裁判を起こすことはできません。裁判を起こすとしても、その前に調停を経なければならないのです(家事事件手続法257条1項)。
このように、協議離婚をすることができない場合は、次のステップとして「調停離婚」を利用することになります。 調停離婚をする場合には、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所において、離婚調停(夫婦関係調整調停)の申立てをすることになります。

 

離婚調停では、裁判所の調停委員を介して夫婦が話し合いをすることになります。調停委員は、通常男性1名、女性1名の合計2名です。 そして、話し合いは、調停委員を介して交互に行われることになりますので、基本的には、相手方配偶者と直接顔を合わせることはありません。
当事者の待合室も「申立人」と「相手方」とで別れております。また、DV事案のように相手方配偶者と顔を合わせることが不可能である場合には、当事者同士が廊下などで顔を合わせることがないよう待合室を別棟にする等、裁判所が色々と配慮をしてくれます。 このようにして、お互いが顔を合わせることがないので、相手方配偶者の前では自分の意見を言うことができない人でも、きちんと自分の希望や意思を調停委員を介して伝えることができるのです。
また、離婚やその条件に関して、調停委員から提案があったり、一方への説得があったりします。そのため、当事者だけの話し合いでは感情的になってしまう夫婦であっても、離婚調停を利用すれば、離婚のための諸条件について合意できる可能性が高まります。 そして、離婚調停が成立したら、家庭裁判所で「調停調書」が作成されます。調停調書というのは、申立人と相手方が離婚をすることや、合意した諸条件が記載された書面のことです。 調停調書に「申立人と相手方は、本日、調停離婚する。」とあれば、調停が成立したその日に、法律上、離婚が成立したことになります。「離婚届」を役所に提出することによって成立する協議離婚とはこの点が異なります。

 

調停が成立したら、後日、家庭裁判所から調停調書が送られてきます。先ほど説明したように、調停が成立した日に離婚は成立しているのですが、調停調書が作成されただけでは、あなたの戸籍は変わりません。離婚したことを戸籍に反映させるためには、別途、役所に「離婚届」を提出する必要があります。
この離婚届は、離婚を成立させるためのものではないので、「報告的届出」といわれたりします。 この場合の離婚届は、元夫婦のどちらか一方が提出すればよく、原則として、離婚調停を申し立てた側が提出することになります。 もっとも、調停調書に「申立人と相手方は、相手方の申し出により、本日、調停離婚する。」とあれば、相手方が提出することになります。
具体的には、調停調書が送付されてきた後、この調書と離婚届を市町村役場に提出します。 この際の離婚届は、一方の署名押印のみで足ります。他方の署名押印は必要ありません。 つまり、一方だけで「離婚届」を作成すればよいのです。 結婚の際に氏(名字)を変更した側は、離婚により婚姻前の氏(旧姓)に戻ります(もっとも、この点については離婚後3か月以内に届け出ることによって離婚の際の「氏」を維持することができます。)。
そのため、氏を変更した側は、離婚により婚姻時の戸籍から除かれるため、以前の戸籍に戻るか、新しい戸籍を作るかを決めなければなりません。
この点については、「離婚届」にどちらを選択するかの記載欄があります。 このようなことを決めなければならないので、実際上、氏を変更した側が離婚届を提出しに行くことが多いと思われます。
そして、日本では結婚を機に氏を変更する側は妻であることが大部分ですので、離婚届を提出するのは、元妻が多いということになります。
また、離婚調停の調停調書は、調停成立後10日以内に役所に届出をしなければならないという決まりがあります。
これより遅くなると、過料などの制裁を受ける可能性もあるので、離婚調停が成立した後は早めに届出をするように注意しましょう。

離婚協議書の作成のポイント

夫婦が調停手続や裁判を介さずに自分たちで話し合って離婚する際、「離婚協議書」を作成することが多いです。 離婚協議書を作成しておくと、双方が合意した離婚条件が明確になり、かつ、その内容が書面に残りますので、離婚後に「内容が違う」「言った、言わない」などのトラブル発生を回避することができます。 そこで、今回は、離婚協議書作成のポイントについて解説します。

まずは、合意した離婚条件を漏れなく記載することが重要です。特定の離婚条件について合意したにもかかわらず、それを書面に残しておかなければ、結局は後で「内容が違う」「言った、言わない」などのトラブルを避けることができないからです。 離婚の際に合意すべき条件としては、未成年の子どもがいる場合の親権者、子どもの養育費、別居親と子どもとの面会交流権、どちらかの配偶者に有責性があった場合の慰謝料、財産分与、さらには年金分割もあります。 これらの事項を離婚協議書に漏れなく記載することによって、後々のトラブルを避けることが可能になります。

以下では、具体的な項目別のポイントについて解説します。

1 親権者

離婚する夫婦に未成年の子どもがいる場合、子どもの親権者を決めないと離婚をすることができません(民法819条1項)。
親権者となった者は、通常、子どもと一緒に住んで子どもを監護養育し、子どもの財産を管理することになります。

2 養育費

未成年の子どもがいる場合、養育費の支払いとその金額も決める必要があります。
養育費は、月々の分割払いにすることが普通であり、一括払いは原則として認められません。
月々の支払金額については、裁判所で採用されている基準もありますが、当事者が自由に定めることも可能です。

3 面会交流

未成年の子どもと親権者にならなかった方の親との間の面会交流についても定める必要があります。 面会交流の条件・方法について定めておかないと、離婚後、親権者とならなかった方の親と子どもが全く会えなくなってしまうという事態も発生しかねません。
片方の親に会えなくなってしまうのは、子どもにとっても不利益になりますので、きちんと話し合って決めておきましょう。

4 慰謝料

離婚する際、慰謝料が問題になることもあります。 慰謝料は常に発生するわけではありません。あくまで、離婚原因が一方の不法行為によるものである場合に発生します。 その典型例が、夫婦の一方が不貞していた場合です。 このような場合、離婚協議書に慰謝料の金額と支払方法を記載します。

5 財産分与

離婚協議書を作成する際には、財産分与についても記載する必要があります。 婚姻後にお互いが協力して築いた財産は、夫婦の共有財産となり、財産分与の対象となります。 夫婦はお互いに財産分与を求める権利がありますので、財産分与の対象財産をどのように分けるかを決めておくべきです。財産分与の分け方は、それぞれ2分の1ずつ分けるのが一般的です。もっとも、これと異なる割合を定めることも可能です。 財産分与についても、金額や清算方法などを具体的に記載することが離婚協議書作成のポイントになります。

6 金銭支払方法の明記

離婚協議書を作成する際には、上記の通り、金銭の支払いが問題になることが多いです。 例えば、養育費、慰謝料、財産分与などがそれに当たります。 金銭支払いが問題となる場合には、必ず具体的な支払い方法を決めておきましょう。 支払金額と支払方法(毎月の分割払いになるのか一括払いになるのか、またその期限等)、入金方法(銀行振込なのか、手数料は誰が負担するのか等)もきちんと合意して離婚協議書に記載します。 銀行振込を利用するのであれば、振込先口座も記載しておきましょう。

離婚届の不受理申出

離婚届の不受理申出とは、いったいどのような制度なのでしょうか。これは、あなたが役所(市町村役場)に離婚届不受理申出をしていたとき、役所は、その離婚届を持ってきた者が、「あなた」であると確認できない場合にその離婚届を受理することができないという制度です。つまり、離婚届不受理申出をしておけば、相手方配偶者やその親族などの他人が離婚届を提出しようとしても、役所は受理しません。

この方法をとれば、あたなが知らない間に虚偽の離婚届が提出されることを防ぐことができます。そして、いったん離婚届が受理されてしまうと、後から離婚の効力を争うのは非常に面倒ですので、勝手に離婚届を提出される恐れがある場合などには、早めに離婚届の不受理申出をしておくべきです。

では、具体的に、離婚届の不受理申出はどのような方法で行うことができるのでしょうか。
離婚届の不受理申出をしたい場合には、役所(市町村役場)に行きます。通常は離婚届などを受け付けている戸籍係のところに行くことになります。そして、担当者に対し、離婚届の不受理申出(不受理願い)をしたいと説明します。そうすれば、用紙(離婚届不受理申出書)を手渡されるので、必要事項を記入して提出しましょう。このとき、身分証明書や印鑑なども必要になるので、持参するようにしましょう。

離婚届の不受理申出ができれば、その後、あなた以外の者が勝手に離婚届を提出しようとしても、役所はそれを受理しません。

相手が離婚したくてもあなたが離婚したくない場合や、親権者についての争いがある場合などには、あなた以外の者(相手方配偶者やその家族など)が勝手に離婚届を提出しないように対処する必要があります。
そのためには、離婚届の不受理申出をします。離婚届の不受理申出は、役所(市町村役場)に行って離婚届不受理申出書に必要事項を記載して提出することによって行います。

不倫をした配偶者が離婚をしたいと言ってきた場合

浮気が発覚し、それを問い詰めたら相手に「他に好きな人ができた。離婚してほしい」と言われた。 これからの生活はどうしたらいいのか、子どもの養育費はどうするのか、何より、今までの自分は何だったのかと、いろんな思いや不安がめぐってくるでしょう。 そもそも、浮気をしたのはあっちなのに、一方的に離婚したいなんて身勝手が認められるのかそう考える人もいると思います。
婚姻関係の破たんに専ら又は主として責任ある配偶者のことを「有責配偶者」といいます。 浮気や不貞行為が婚姻関係の破たんを導いたものであれば、この浮気や不貞行為をした配偶者が「有責配偶者」となります。 ここで重要なのは、判例上,有責配偶者から離婚請求することは原則として非常に困難(8年から10年の別居)が必要等)ということです。 つまり、離婚をするのか、しないのかの決定権は、あなたにあります。
以下、離婚をするか否かの選択を迫られた際のポイントを紹介します。

① 有責配偶者から離婚を切り出された場合、離婚をするかしないかの決定権はあなたにあります。 したがって、有責配偶者が「早く離婚してほしい」など言ってきたとしても、焦って離婚をする必要はありません。 不貞行為が原因で、別居に至った場合であっても、その期間の生活費を婚姻費用として請求することもできます。 離婚はしたくないけど、不貞をした二人(有責配偶者とその相手方)にはちゃんと責任を取ってもらいたいという場合には、不貞行為に対して慰謝料を請求することもできます。 離婚をするとなると、決めなければいけないことがたくさんありますし、今後の生活の不安も大きいと思います。 焦らず、じっくりと考えて判断しましょう。どうしたらいいか分からなければ,一度弁護士に相談をしてもいいかと思います。

② 自分は離婚したくないのに、不貞行為をした有責配偶者から「早くしろ」「お前と別れるのなんて簡単だ」など威圧をされて離婚届にサインをしてしまったということも少なくありません。 そのような場合は、すぐに市(区)役所へ行って「離婚届不受理申出書」を提出してください。 これを提出することで、記入済みの離婚届でも市(区)役所で受理することができなくなります。 もちろん、脅されて離婚届にサインしてしまった場合、裁判で離婚が無効であったことを主張して、婚姻関係が継続していることを認定してもらうこともできます。 ただ、裁判となると手間も時間かかります。

離婚についてどうしたらいいのか分からないのであれば,一度仙台駅前法律事務所まで問い合わせてください。

 

配偶者の不倫・浮気が発覚したときにするべきこと

まずは、配偶者の不倫に対する怒りやショックな気持ちを吐き出し、冷静さを取り戻すことがとても重要です。 その際の方法は、誰かに話を聞いてもらうのも良いですし、紙に書きだすのも良いでしょう。 今感じていることを素直に表現し、自分の気持ちを受け止めてあげましょう。

次に,自分はどうするべきなのか、気持ちの上ではどうしたいと思っているのかを見つめ、ぼんやりと方向性を考える程度で十分です。 周囲の人に意見を聞くのももちろん良いですが、周囲の意見に流されるだけではいけません。 また、浮気をされる方にも原因があるという人もいます。 パートナーに問い詰めれば「お前が○○だからこうなったんだ!」と開き直る人もいるでしょう。
しかし、不貞行為を犯したのは、相手の方です。 それについて、あなたに非はありません。
色々な意見を聞いたとしても、最終的に決めるのは自分だということを忘れないでください。

そして,パートナーがもう2度と浮気はしない・相手とはきっぱり別れると約束し、それを信じることができそうであれば、許してあげることもできます。 離婚して、慰謝料を請求することもできます。 また離婚はしないが、慰謝料のみを請求するということもできます。 パートナーの浮気相手にも、慰謝料を請求することもできます。 しかし、そのどれを行うとしても、精神的に大きな負担がかかることは避けられません。弁護士などの専門家が依頼を受けたとしても、できることは手続きや交渉の代理だけです。 もちろん、じっくりとお話を伺い、どうしたいかという気持ちに寄り添って進めていきますが、あなたの心の負担まで解消することはできません。
これらのストレスと戦う決心をつけなければならないのです。

慰謝料請求をすると決めた場合,しようか迷っている場合でも行動を起こす前に証拠収集はしておきましょう。ここが一番重要です。証拠については一部になりますが,https://sendai-furinisharyou.jp/isharyouを参照してください。

最後に,行動を起こすかどうか決断をしてください。